いつも美濃焼タイルとともに
思い出の空間を蘇らせる
タイルのコンシェルジュ、
タイルオンラインの高藤洋平です。
今回は、
かなり昭和レトロなタイルのご相談です。
なんと40年以上前に
施工されたと思われるタイル。
床タイルが2種類、そして壁タイル。
写真を見た瞬間、
これはなかなか難しいぞ……
と思いました。
古いタイルの補修でよくあるのが、
サイズはある。
でも、色や表情がない。
という問題です。
今回もまさにそのケース。
完全に同じものを探すのは難しいため、
現在手に入るタイルの中から
「できるだけ近いもの」を考えてみました。
目次
- 40年以上前のタイルは同じものが見つかる?
- グレー系100角床タイル
- 黄土色系100角床タイル
- 緑色の108×60mm小口タイル
- 古いタイル補修は「同じもの」より「違和感を減らす」
- 古いタイルを探すときに教えてほしいこと
40年以上前のタイルは同じものが見つかる?
古い建物のタイル補修相談をいただくと、
「これと同じタイルはありますか?」
というお問い合わせが非常に多いです。
ところが、30年、40年前となると
話が変わってきます。
メーカーがすでに廃番にしていたり、
メーカーそのものがなくなっていたり、
当時使われていた釉薬や製造方法による
表情が現在の商品では再現しにくかったりします。
特に今回の3種類は、単純に
「グレー」「黄土色」「緑」というだけではありません。
表面の凹凸や釉薬の流れ、
色むらまで含めてタイルの表情になっています。
この雰囲気が、いかにも昭和のタイル。
今見ると、むしろ格好いいんですよね。
まずはグレー系の100角床タイル
最初はこちら。

約100角サイズのグレー系床タイルです。
写真を見ると、単色のグレーではなく、
石のような細かな模様と独特の表面感があります。
これは
INAXのグロストーン系や
隅谷のサグレスに
見られたような表情ですが、
現在この雰囲気に近いものを作っているところは、
なかなかありません。
かなり特殊な釉薬による表情なので、
現在の商品でそのまま再現するのは難しいと思います。
そこで代替として考えられるのが、
SW100-12
SW100-13
SW100-22
あたり。
ただし、
元のタイルに比べると表面はかなり
「のっぺり」とした印象になります。

色を近づけることはできても、
40年以上前のタイル特有の
表情までは合わせられない。
ここは補修前に理解していただきたいところです。
次は黄土色の100角床タイル
こちらも約100角。

黄土色から茶系の色ですが、
表面には細かな凹凸があり、
黒っぽい粒も見えます。
これも、なかなか見ないタイルです。
私もこのタイルそのものには
見覚えがありません。
現在販売されている商品の中で、
あえて近い方向を探すなら、このあたりでしょうか。
もちろん、
こちらも完全一致ではありません。
古いタイルの補修では「同じ色を探す」というより、
色の濃さ
表面の凹凸
艶の有無
目地を含めた全体の雰囲気
まで見ながら選ぶのがポイントです。
そして壁は108×60mmの小口タイル
最後はこちら。
これがまた、すごくいいタイルなんです。
サイズは約108×60mm。
いわゆる小口タイルと
呼ばれる昔からあるサイズです。

問題は、この緑。
深い緑、黒っぽい緑、
明るい緑が混ざり合い、
一枚一枚かなり表情が違います。
さらにコーナー部分を見ると、
この色むらが連続して、
非常に味のある壁になっています。
まさに窯変タイルの魅力です。
残念ながら、
現在この色と表情をそのまま
再現できる商品は見当たりません。
近いものを挙げるなら、
ST-202
あたりでしょうか。
ただ……
あんまり似てないんですよね。
ここは無理に
「似ています」とは言えません。
サイズを合わせることはできても、
この独特な緑色の窯変まで合わせるのは難しい。
40年以上前のタイル補修の
難しさがよく分かる例だと思います。
古いタイル補修は「同じもの」より「違和感を減らす」
古いタイルを探している方に、
ぜひ知っておいていただきたいことがあります。
築30年、40年、50年となってくると、
まったく同じタイルが見つかる可能性は
かなり低くなります。
だからといって、
「ありません。補修できません」
で終わらせる必要もありません。
サイズを合わせる。
できるだけ近い色を探す。
艶を合わせる。
表面の凹凸を合わせる。
目地色を工夫する。
こうした方法で、
補修した部分の違和感を
小さくすることはできます。
場合によっては、
無理に1枚だけ似たタイルを入れるより、
ある程度まとまった範囲を別のタイルに
張り替えたほうが自然に仕上がることもあります。
ここは現場ごとに考える必要がありますね。
古いタイルを探すときに教えてほしいこと
タイルオンラインでは、このような古いタイルの補修相談もお受けしています。
お問い合わせの際には、
・タイル全体が分かる写真
・タイル表面のアップ写真
・定規やメジャーを当てた写真
・タイル1枚の縦×横サイズ
・必要な枚数
・床なのか壁なのか、屋内なのか屋外なのか
このあたりを教えていただけると
かなり探しやすくなります。
今回の写真のようにメジャーを
一緒に写していただけると、とても助かります。
40年以上前のタイル。
同じものがないからといって、
すぐに諦める必要はありません。
完全一致は無理でも、
「これなら補修に使えそう」
というタイルが見つかることがあります。
そして何より、
こういう昭和のタイルを見ていると、
昔のタイルって面白いなあ
と改めて思います。
現在ではなかなか見られない釉薬、
色むら、凹凸。
効率よく均一なものを作る現在のタイルとは、
また違った魅力があります。
壊して全部新しくするのではなく、
使えるところは残しながら補修していく。
そんなときのお手伝いが
できればと思っています。
古いタイル、廃番タイル、補修用タイルを
お探しの方はぜひタイルオンラインまで
写真を送ってご相談ください。
タイルの良さと楽しさを伝えます。
タイルオンライン 高藤洋平
(よーへー)

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