いつも美濃焼タイルとともに
タイルオンラインの高藤洋平です。
今回は、
所属している勉強会で
岐阜県郡上市美並町にある
日本まん真ん中センターへ行ってきました。
目的はもちろん勉強です。
こちらで講義を受け、
その後はキャンプ場へ移動してバーベキュー。
なかなか楽しい一日となりました。
しかし……
タイル屋としては、
どうしても気になってしまうものがあります。
建物です。
そして、
そこに使われているタイルと石材です。
今回は、そんな
日本まん真ん中センター
で見つけた、
ちょっと懐かしくて面白い建材をご紹介します。
目次
1. 日本まん真ん中センターへ
2. 川嶋社長のお話を聞く
3. 人口減少の地域で事業を続けるということ
4. そして気になった巨大な建物
5. 玄関前には大きな御影石の乱形貼り
6. ホールの床には石材で描かれた日本地図
7. 赤い御影石がとにかく目立つ
8. 茶色のボーダータイルも面白い
9. 100角タイルはやっぱり定番
10. 内部の壁にも石材が
11. 古い公共建築は建材を見るだけでも面白い
12. 古いタイル・石材の補修で困ったら
日本まん真ん中センターへ
今回訪れたのは、岐阜県郡上市美並町にある「日本まん真ん中センター」。
まず驚いたのが建物の大きさです。
「おお、でかいなぁ……」
と思わず見上げてしまいました。
独特な形状の大きな建築で、現在の公共施設とはまた違った迫力があります。
川嶋社長のお話を聞く

今回、講義をしてくださったのが川嶋社長です。
メーカーを経営される一方で、
地域振興にも力を入れ、
キャンプ場の運営など幅広い活動をされています。
特に印象に残ったのは、
人口が減少していく地域で、
どう事業を続けていくのか。
ということ。
人口減少の影響を都市部より早く、
そして大きく受ける地域で、
それでも地域のために挑戦を続ける。
その姿勢と志には、
同じ経営者として非常に感銘を受けました。
会社だけを見るのではなく、
「地域と一緒にどう生き残っていくのか」
という視点は、
これからますます大切になるのかもしれません。
そして気になった巨大な建物
……と、しっかり勉強したところで。
やっぱり私が気になってしまったのはこちら。
建物に使われている石とタイルです。
仕事柄、
どこへ行っても床や壁を見てしまいます。
比較的昔に造られた公共建築
ということもあって、
現在ではなかなか見かけないような、

かなり大胆な材料の使い方がされています。
玄関前には大きな御影石の乱形貼り
まず目に入ったのが玄関前。

かなり大きな石材を組み合わせた乱形貼りです。
グレー系を中心に、
赤系や黒っぽい石も混ぜながら、
大きさの異なる石を組み合わせています。
これを見るとタイル屋としては、
「これ、貼るの大変だっただろうなぁ……」
と思ってしまいます。
規格サイズのタイルを並べる施工とは違い、
乱形石は形を見ながら一枚一枚組み合わせて
いかなければなりません。
しかも、この面積です。
材料もすごいですが、
施工された職人さんの仕事も見どころですね。
ホールの床には石材で描かれた日本地図
そして建物の中へ入ると、
さらに驚きます。

広いホールの床いっぱいに石材が敷き詰められています。
中央には……
日本地図!
床そのものを使って日本列島を表現しています。
現在の建物では、
こうした「床そのものを巨大な意匠として見せる」施工は、
なかなか見る機会が少なくなったように感じます。
石材の色や形を変えながら日本列島を表現していて、
非常に手の込んだ床です。
赤い御影石がとにかく目立つ
そして日本地図の中でも、
ひときわ目立つのが赤系の御影石。

見た目からするとニューインペリアルレッド系を思わせる赤御影石です。
深い赤色に黒い粒が入った、非常に存在感のある石です。
白・グレー系の石材が多い空間の中に、この赤がドーンと入っています。
なかなか派手です。
でも、このくらい大きなホールだからこそ
成立するデザインなのでしょう。
今あらためて見ると、
かなり贅沢な石材の使い方だと思います。
茶色のボーダータイルも面白い

外壁部分を見ていくと、茶系の細長いボーダー状のタイルも使われています。
これも時代を感じる材料です。
現在販売されている商品で、
「これとまったく同じものをください」
と言われると……
これは、なかなか難しいかもしれません。
古い建物の補修相談でよくあるのですが、
昔のタイルには現在では見かけなくなった寸法・色・表面形状があります。
特にこうした公共施設や大型建築では、
その建物のために選ばれた特徴的なタイルが
使われていることもあります。
40年近く経って補修が必要になったとき、
同じタイルを探すのが難しくなるのはこういうところなんですね。
100角タイルはやっぱり定番
一方で、床まわりには昔からの定番である100角クラスのタイルも確認できます。
こういうタイルを見ると少し安心します(笑)。

100角タイルは学校、
公共施設、店舗、玄関、浴室など、
本当にさまざまな建物で使われてきました。
タイルオンラインにも、
「30~40年前の100角タイルを補修したい」
という相談はよくあります。
古い100角は現在の商品と実寸法や色、
表面の質感が違う場合がありますので、
補修するときは必ず実物の寸法を測ることが大切です。
内部の壁にも石材が
さらにホールを見上げてみると、
上部の壁にも石材調の大判材が使われています。
こちらも砂岩系を思わせる
柔らかなベージュ系の表情で、
広い壁面に大胆に施工されています。

床だけではありません。
外部の石張り、床、壁、ボーダータイル……
とにかく材料の使い方が豪華です。
今同じような建物を、
同じような材料と施工方法で造ったら、一体いくらかかるんだろう?
そんなことまで考えてしまいました。
古い公共建築は建材を見るだけでも面白い
今回の目的は経営の勉強でした。
人口が減っていく地域の中で、
地域振興に取り組みながら事業を続けていく
川嶋社長のお話は、とても勉強になりました。
そしてもう一つ。
古い公共建築を見ると、
その時代にどんなタイルや石材が使われていたのかを見ることができます。
御影石の大判乱形貼り。
赤御影石を使った日本地図。
茶色のボーダータイル。
昔ながらの100角タイル。
そして内部壁面の石材。
今見ると、
「こんな使い方をしていたんだ!」
という発見があります。
タイルや石は何十年も建物に残ります。
だからこそ、建物そのものが一つの「建材の資料館」のようにも見えてくるんですね。
古いタイル・石材の補修で困ったら
そして、こういう建物を見ていると
いつも思います。
これから補修が必要になる建物は、
どんどん増えていく。
40年前、50年前に施工されたタイルは、
すでに廃番になっているものも少なくありません。
「同じタイルがない」
「メーカーが分からない」
「サイズが微妙に違う」
「似た色だけでも探したい」
そんな場合でも、
まずはあきらめないでください。
タイルオンラインでは、
古いタイルの補修相談を数多くいただいています。
できれば、
タイル全体が分かる写真・サイズ・必要枚数
をお知らせください。
まったく同じものが見つからなくても、
現在入手できる商品の中から近いものを
ご提案できる場合があります。
古い建物を壊して新しくするだけではなく、
使えるものを補修しながら、長く使っていく。
それもタイルや石材という、
長く使える建材の良さだと思います。
今回も経営の勉強をしながら、
結局最後はタイルと石ばかり見てしまいました(笑)。
それではまた!
