目次
- はじめに：ホームセンターには売っていない「昭和の規格」
- 【床】謎の108角タイル（実寸106mm）
- 【壁】薄くて小さい75角タイル（実寸74.5mm）
- 【壁】微妙にサイズが違うニュー小口タイル
- まとめ：ないなら「加工」して直せばいい
1. はじめに：ホームセンターには売っていない「昭和の規格」
いつも美濃焼タイルとともに タイルオンラインの高藤洋平です。
今回は、補修のご相談で私が思わず「うっ」と唸ってしまった、難易度の高い案件を3つご紹介します。
対象となるのは、築50年以上が経過した日本の家屋。 高度経済成長期に建てられた家のお風呂や玄関には、現在とは全く異なる規格のタイルが使われていることが多いのです。
「ホームセンターを何件回ってもサイズが合うものがない！」 とお困りの業者様、DIYユーザー様。 あなたが探しているのは、おそらく以下の3つのどれかです。もちろん他にも変わったサイズはありますが・・
2. 【床】謎の108角タイル（実寸106mm）
まず一つ目は、玄関や勝手口の土間で見かける床タイルです。
写真をご覧ください。定規を当てると、実寸で約106mm〜108mmあります。 現在の床タイルの主流は「100角（実寸95mm前後）」なので、約1cm以上もサイズが大きく、今のタイルを埋めても隙間だらけになってしまいます。
【解決策①】唯一の現行品を使う 現在、このサイズで作られているのは、昔ながらの赤茶色の階段タイルくらいしかありません。
- 108角 アースフロア（赤茶色） https://item.rakuten.co.jp/tileonline/ft/
現場がこの色ならラッキーですが、写真のような「御影石風（ごま塩柄）」の場合は合いませんよね。
【解決策②】150角タイルをカットする 色が合わない場合は、ひと回り大きい「150角タイル（実寸144mm）」をカットして作るのが正解です。
- 150角 磁器床タイル（御影石風） https://item.rakuten.co.jp/tileonline/ak150/
このシリーズは昭和のタイルに近い風合いを持っているので、サイズさえ合わせれば違和感なく馴染みます。
3. 【壁】薄くて小さい75角タイル（実寸74.5mm）
続いては、お風呂場や洗面所の壁です。
淡い緑や水色で、サイズは実寸で74.5mm×74.5mm。 そして厚みが5mmほどしかなく、非常に薄いのが特徴です。
これは完全に廃盤サイズです。どこを探しても新品は出てきません。
【解決策】100角タイルをカットする こればかりは、現在主流の「100角壁タイル（ブライトタイル）」を75mmにカットして使うしかありません。
- 100角ブライトタイル https://item.rakuten.co.jp/tileonline/kabe100-1/
※注意点 昔のタイルは角が丸く処理されていますが、カットしたタイルは断面が鋭角になります。目地を少し太めに詰めるなどして調整してください。
4. 【壁】微妙にサイズが違うニュー小口タイル
最後は、外壁や塀によく使われていた長方形のタイルです。
「ニュー小口」と呼ばれる規格などが混在しており、既存の小口タイル（108×60mm）とは微妙にサイズが合いません。
【解決策①】サイズ優先で「ニュー小口」を使う 一応、現在も商品は存在します。
ただし、近年の製品なので、50年前のものとは色合いや質感が全く異なります。「色は違ってもいいから埋めたい」という場合はこちらが早いです。
【解決策②】小口タイルをカットする（色優先） 「昔の渋い色合いを再現したい」という場合は、色の種類が豊富な「飛騨小口」などを使い、現場のサイズに合わせて2辺をカットすることをおすすめします。
たとえば95mm×55mmなど、現場の実寸に合わせて加工すれば、パッと見では分からないレベルまで補修可能です。
5. まとめ：ないなら「加工」して直せばいい
「廃盤だから直せません」と断られた経験がある方も多いのではないでしょうか。 確かに既製品はありませんが、タイルは「焼き物」であり「石」です。切って加工すれば、形を合わせることは可能です。
タイルオンラインでは、こうした特殊な加工や代用品の提案も得意としています。 「このサイズ、どうにかならない？」と思ったら、今回のように定規を当てた写真を送ってください。 創業70年の知恵を絞って、解決策をご提案します。
▼補修用タイルのご相談・カット加工についてはこちら https://www.rakuten.co.jp/tileonline/
タイルの良さと楽しさを伝えます。
タイルオンライン 高藤洋平
（よーへー）
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