NHK大河ドラマ『光る君へ』と平安時代の建築資材~瓦とタイルの歴史をひも解く~

こんにちは!美濃焼タイルの魅力を全国にお届けする「タイルオンライン」の高藤洋平です。
先日、話題のNHK大河ドラマ『光る君へ』をようやく見終えました!
🔗 NHK大河ドラマ『光る君へ』公式ページ

平安時代という、個人的にはあまり縁のない時代背景でしたが、現代風の脚色もあってか意外と楽しめました。特にロバート秋山さんが素晴らしい演技を見せてくれたり、「刀伊の入寇(といのにゅうこう)」のような外敵の襲撃エピソードが興味深かったです。

もちろん、脚色部分に「いやいや、それはないでしょ!」とツッコミを入れる場面もありましたが、それもまた大河ドラマの醍醐味ですよね。

さて、そんな平安時代。タイルはまだ存在していません。タイルが日本に登場するのは明治時代になってからのことです。しかし、タイルに近い建築素材として「瓦」がありますよね。

瓦の歴史と平安時代の建築資材

瓦の日本への伝来は約1500年前、588年以降とされています。古くから寺院などの建築に用いられてきました。現在の瓦の主要産地としては、以下の三州が有名です:

  • 三州瓦(愛知県)
  • 石州瓦(島根県)
  • 淡路瓦(兵庫県)

これら3地域で、日本全国の瓦生産量の約85%を占めています。実は、タイルも美濃焼タイルが全国の生産量の約80%を誇るため、地域ごとの強みという点では共通点がありますね。

ところが、今回の大河ドラマで描かれた平安時代には、瓦がほとんど作られていないんです。その理由の一つが「檜皮葺(ひわだぶき)」というヒノキの皮を使った屋根材の普及です。

なぜ瓦が使われなかったのか?

平安時代、山中に建設される寺院が増え、瓦のような重い建材を運ぶのが困難だったため、軽い檜皮葺が重宝されたようです。これが平地の寺院にも影響を与え、一時的に瓦の需要が減少したと考えられています。

しかし、火事に強く安定感のある瓦の需要はその後再び高まり、建築資材としての地位を取り戻しました。瓦の長い歴史を振り返ると、その時代ごとに適応して進化してきたことがよくわかります。

タイルと瓦の未来

現在、タイル業界も外壁用タイルが他素材にシェアを奪われつつありますが、瓦が歴史の中で生き残ったように、タイルもその魅力や機能性を進化させていけば、また新たな需要を生み出せるはずです。美濃焼タイルの産地・多治見から、その可能性を広げていきたいですね!


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