多治見発・タイルオンラインの高藤洋平です。
鳥羽水族館で子どもたちが「イセエビだ!」と指をさす――その帰り道。

約40年前のリゾートホテルに。ロビーに足を踏み入れた瞬間、懐かしいタイルが目を楽しませてくれます。
「この感じ、懐かしい。」でも、ただのノスタルジーではありません。“長く使える設計”が、確かな手触りで残っていたのです。
目次
- どうして当時の国産タイルは“心地よい”のか
- エントランス踊り場:サイズMIXがつくる気持ちのいいリズム
- 階段:白と赤茶のコントラストが守ってきたもの
- 海側ベランダ:風と塩に耐える“通り”の美学
- 中庭:石の量感と45角の品格
- いま活かすなら:色合わせ・サイズ置換・補修の勘所
- まとめ:懐かしさを、今日の暮らしへ
- 本文で紹介した商品リンク
どうして当時の国産タイルは“心地よい”のか
40年という時間をくぐり抜けても古びないのは、寸法と配色の文法がきちんとしているから。

150角・200角・300角、90角、100二丁――規格が豊富で、現場カットも前提。
白(MA-1)を基調に、茶(MA-11)・こげ茶(MA-7)で明度コントラストを丁寧に積み上げる。結果、歩きやすく、迷いにくい。機能が情緒を支えているのです。
エントランス踊り場:サイズMIXがつくる気持ちのいいリズム
足を置くたびに、タタン、トンと軽やかに刻むビート。
MA150角とMA200角をベースに、100二丁のハーフ、そして300角から切り出した変形五角形まで交えて、面に小さな揺らぎを与えています。これが単調さを消し、“歓迎の間”の空気をつくる。

配色の柱は、MA-1(白)×MA-11(茶)×MA-7(こげ茶)。白で面を明るく、濃色で通りと縁を締める。視認性と上品さが同居します。
階段:白と赤茶のコントラストが守ってきたもの
子どもが駆け下りても怖くない。踏み面と蹴込みのコントラストが、40年にわたって安全を見守ってきました。
90角の白・赤茶、そして90×190の長方形。段鼻の通りを最優先に、目地がまっすぐ呼吸をする。

目地が真っすぐ というのは結構すごいんですよね。海外行ってみると痛感します。
- 使用アイテム例
階段は「見やすさ=安心」。**色差+面取り(0.5〜1mm)**で、足元の不安をやさしく削ります。
海側ベランダ:風と塩に耐える“通り”の美学
潮風にさらされても、床のラインがすっと伸びる。
答えは**100×200(100二丁)**の規律。勾配と通りが整うと、雨だれも排水も、美しさの一部になります。


- 使用アイテム例
屋外は弾性接着+セメント系接着材の併用が安心。濃色目地で汚れ戻りをそっと目立たなく。
中庭:石の量感と45角の品格
植栽の影が伸び、夕暮れの光が面(おもて)を撫でる。
白御影・伊吹石の凛とした質感に、45角プレーンの繊細な目地ピッチが寄り添うと、庭は静かな芯を持ちます。

素材差×目地のリズムで、外構に「余白の美」を。
いま活かすなら:色合わせ・サイズ置換・補修の勘所
- “3トーン”で整える
- 明(白)=面、中(茶)=空間の芯、暗(こげ茶)=縁・誘導。役割を分けると古い面材とも自然に馴染む。
- サイズ置換は“通り優先”
- 94角→100角、90角→100角の置換時は目地割で違和感を吸収。段鼻起点で計画すると美しい。
- 石×タイルの混在は“質感を合わせる”
- 近似タイルが無ければ石をカット。小口の面取りで経年の角当たりを予防。
- 屋外は「仕上げまでが工事」
- 石は撥水剤で吸い込みムラを整え、タイルは防汚コートで手入れを軽く。
- 階段は安全最優先
- 段鼻の通り・面取り・滑り抵抗、この三点セットで“安心”を更新。
まとめ:懐かしさを、今日の暮らしへ
あの頃のリゾートの心地よさは、設計の作法が支えています。
サイズの辞書と色の文法をいまの空間に移植すれば、懐かしさは古さではなく、穏やかな安心として帰ってくる。
直したその日からまた何十年――家族の足音を受け止める床であってほしい。タイルは、その約束ができる素材です。
本文で紹介した商品リンク
- エントランスまわり
- 階段
- 海側ベランダ
- 中庭
タイルの良さと楽しさを伝えます。
タイルオンライン 高藤洋平
(よーへー)

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